製造業のWebサイトが優先すべきポイント | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年3月13日木曜日

製造業のWebサイトが優先すべきポイント

おはようございます。
製造業のWebマーケティングをテーマに更新を続けていますが、不思議なものでテーマは尽きることがありません。時々ネタに困るときもありますが、それは自分の準備不足が原因です。インプットを怠らず、実践してトライアンドエラーを繰り返せばネタはつきません。今日は製造業の中でもBtoB製造業≒生産財に焦点を絞って製造業Webサイトの優先すべきポイントを考えます。

製造業Webサイトが優先すべきポイント

WebサイトもQCDに拘る

製造業はQCDを大切にします。「そこまで拘らなくても良いのでは?」ということでも手を抜かず、高品質、正確な納期、納得の価格を提供します。ものづくりにかける情熱はすごいのですが、出来上がった製品をWebサイトで紹介するときはとても淡泊なのです。またユーザーは生産財購入にはQCDを比較検討します。特に厳しい国際競争を繰り広げる製造業では少しでも競争力をつけるためにVE・VA提案にも積極的に耳を傾けます。いくら品質が良くてもそれだけでは判断することはできないのです。ユーザーが求めるのはコストパフォーマンスなのです。

品質(Quality)

品質に関する情報は最も充実させるべき製造業Webサイトの要です。製品の検討は品質から始まります。相手はエンジニアなどプロユーザーです。だから、スペック、機能、試験データなど検討に必要な情報をなるべく多く公開するのが理想です。同業他社と比較されることを前提にデータを吟味してユーザーが検討するために必要な情報がそろっているか?チェックする必要があります。ほとんどのWebサイトでは製品概要は掲載されています。一部のカタログスペックだけでなく、なるべく多くのスペックを掲載することから始まります。そして、機能説明や事例紹介、そして試験データは手薄なWebサイトが多く、技術解説や論文となると掲載する生産財メーカーは一部に留まります。

価格(Cost)

生産財のWebサイトでは営業上のリスクが大きく価格を非公開にするケースが多くないのです。ビジネスユーザーは価格に敏感です。プロの厳しい目でシビアに原価まで気にするのが生産財の特徴です。そして、買い手や条件によって価格変動が大きく、価格交渉や見積り提示は引合後に初めて行われることが多いのです。ユーザーはWebサイトで製品価格を知りたいのです。参考価格を提示できないか?コストパフォーマンスがつかめる事例を公開できないか?通信販売で小ロットの価格を伝えられないか?どうしても価格公開ができないならその理由を説明し、直接お問い合わせしていただくようにできないか?工夫が求められます。

納期(Delivery)

納期情報も重要です。生産財通販や商社の場合、納期情報は必須です。買うためのWebサイトなら納期がなければ始まりません。製品によって納期が確定できない場合もその旨を説明し、必要であれば問い合わせできるような配慮が必要です。カスタム品・特注品・一品物の場合は受注状況や、仕様などによって正確な納期が掲載できないですが、それでもどのような情報が分かれば概ねの納期回答ができるのか説明するだけで利便性は高まります。

サポート情報を充実させる

生産財取引は特定クライアントと長期化・固定化しやすいことが特徴です。供給先の変更はリスクが高く、信頼のおけるパートナーとは長期取引を志向することが多いのです。だから新規取引にはリスク検討は組織的に慎重に議論され、理論的に万全でない場合は既存の取引先を優先しがちです。そして新規検討する際も取引が長期にわたり継続していい会社なのか?という観点でリスクを回避しようとします。だから生産財のWebサイトはサポート情報も重要なのです。製品購入後に必要な情報がWebサイトに揃ってるのか?トラブル、質問・疑問、操作方法やメンテナンス、備品の追加発注などサポート情報をなるべく多く公開して顧客満足度を上げる必要があります。部品メーカーであればCADデータ、カタログ、取扱説明書のダウンロードや技術資料も役に立ちます。購入ユーザーに限定したい重要な情報がある場合は会員ページで対応します。困ったときはメールより電話というニーズが強いのでサポート強化する際は電話対応にも気を配る必要があります。

特定企業への依存体質から脱却も忘れない

技術力があり顧客の求めるQCDに応え続けた中小製造業では、クライアントの要望に適応することで関係を深めてきました。その結果、系列化・下請け化してきたのです。景気がよく成長が続く時代は効率がよく正解だったのだと思います。しかし、今はそれが過度の環境適応となり、中小製造業の大きな課題となっています。環境は常に変化します。変化する環境に適応できるよう新しい取引先の開拓にも気を配るべきです。新規開拓の営業コストは既存客への営業コストとは比べられないほどかかります。しかし、短期的な効率だけでなく将来への投資として新規取引先の開拓をする必要があります。

Webサイトは宣伝が本質

Webサイトを見る人がいなければ、Webサイトは成立しません。忘れがちなことですが最も大切なことです。「Webサイトを見る人」が起点です。だからその人に役立つコンテンツを考え掲載し、宣伝することがWebサイトの本質です。そして、反応を分析してより良いコンテンツを提供する。新規ユーザーも、既存ユーザーも考えサイト運営するバランスが大切です。

まとめ

製造業のWebサイトは優良顧客とのパートナーシップを目指すのが私の理想です。しかし、既存の取引先だけでなく将来への投資として新しい取引先の開拓も視野に入れ、必要なコンテンツを掲載し、PDCAを回してより良い情報を提供する、その見返りがコンバージョンとなるのだと思います。

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