QCDのバランスを考える | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年9月18日木曜日

QCDのバランスを考える

おはようございます。
仕事を依頼されたら気にするのがQCDのバランスです。品質に拘ればそれだけ、価格も高くなり納期も長くなります。価格や納期という縛りがあるから、知恵を絞りスピーディーに仕事ができるのだと思います。

QCDのバランスを考える

品質偏重の管理

QCDのひとつでも期待を下回るとお客様の不満の原因になります。いくら品質が良くても価格と納期が守れなければ継続的な取引に影響が出てしまいます。当たり前のことですが、すべての現場で必ずしもQCDのそれぞれを適切に管理できているとはいえません。仕様変更や設計ミス、調達スケジュールのずれ込みから納期に間に合わず、結果として原価がかさんでしまうケースがあるのです。価格や納期は数値目標が設定でき管理しやすいはずなのに、なぜ納期遅れや原価上昇が起こるのでしょうか?それは品質基準があいまいでうまく管理できないからです。品質についての共通認識が作れず、守るべき品質ラインが不明瞭だから、過剰品質、過度なチェック体制、非効率の原因になるのです。

品質基準をつくる

誰が見てもはっきりわかる品質ガイドラインがあれば、品質のばらつきや過剰品質によるコストアップや納期遅れ解消に役立ちます。品質管理が進む製造業ではガイドラインが作られ、チェック項目がきちんと決められ品質のばらつきは少なく、価格、納期も計画から遅れることはほとんどありません。しかし、他の業界では、品質管理が遅れており、品質のばらつき、そしてそれが原因で納期遅れやコストアップがおこるところもあります。システム開発やWeb制作も品質基準が不明確でそのため品質のばらつき、納期遅れ、コストアップという問題を抱えていることが多いように感じます。問題を解決するには求められる品質を言語化することがスタートです。

開発プロセスの可視化

個人のスキルに依存しやすい属人的な仕事では特にQCD管理が難しいように思います。品質基準を守るために、何をどのくらいやればいいのか、そして何をチェックすべきかを把握していなければ、求められるQCDは実現できません。品質は特定の技法だけで達成するものでなく、様々な技術・ツールを組み合わせてつくるものです。開発プロセス全体を俯瞰して技術者の特性やツールの特性を考えてプロジェクトが計画されます。そしてプロジェクトごとに形が違うのです。何をどれくらいやれば品質を達成できるのかは、経験の積み重ねによって把握するしかありません。だからこそ経験の積み重ねを暗黙知にせず、可視化して組織共有の財産にするように開発プロセスの可視化が大切なのです。

まとめ

品質偏重による開発の遅れはコストアップ、納期遅れにつながります。そして依頼していただいたクライアントの貴重な時間を余分に奪ってしまうのです。

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