衰退期の常識は成長市場の非常識 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年2月27日金曜日

衰退期の常識は成長市場の非常識

おはようございます。
2月24日電通が2014年日本の広告費を発表しました。総広告費は6年ぶりに6兆超え。インターネット広告費ははじめて1兆円を超えたようです。(「2014年 日本の広告費」は6兆1,522億円、前年比102.9%)。そのなかで運用型広告費は対前年度比123.9%の5,106億円。リスティング広告主体にビジネスをしている会社は対前年度比25%成長でようやくシェアを維持という状況です。

衰退期の常識は成長市場の非常識


成長市場は対前年比では遅すぎる

売上目標は対前年度比で考えることが一般的です。しかし、急激に市場が成長している場合は利益が出ていても成長していても、市場シェアは低下し実は競争力が下がっていることだってあり得ます。そして市場が大きくなるにつれて参入企業は増え続け、市場成長のスピード以上にプレーヤーが増え、競争が激化し弱い企業が徐々にふるい落とされていきます。だからこそ、なるべく早いうちに有利なポジションを固めしっかり顧客をつかみ安定した成長につなげる必要があります。成長市場はスピードが重要です。スピード重視のために対前月比目標だってあり得るのです。上記の運用型広告費の伸び率を対前月比2%成長で考えると・・・


スタート100.0
2か月目102.0
3か月目104.0
4か月目106.1
5か月目108.2
6か月目110.4
7か月目112.6
8か月目114.9
9か月目117.2
10か月目119.5
11か月目121.9
1年後124.3

概ねシェアを維持できるペースなのです。市場での存在感を増すなら対前月比3%~5%の成長を目標にしても不思議ではありません。この考えを机上の空論と考えるかどうかで大きな岐路になるのではないでしょうか。確かに国内の生産財業界は成長市場ではありません。だからといってインターネット広告のような成長市場の話が当てはまらないわけではないのです。海外に目を向けると生産財でも急成長市場は見つかります。そこで居場所を作るにはその土地のスピード感で臨む必要があるのです。成熟市場と成長市場の戦略・常識は異なります。雑誌業界からネット広告に転身し、そういった違いを肌で感じています。

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