新規開拓を成功させる4つの視点 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年4月17日金曜日

新規開拓を成功させる4つの視点

おはようございます。
新規開拓を推し進めるためにWebサイト活用を考えるのは良いことですが、それはあくまでも新規開拓のごく一部です。それでなくとも新規開拓は既存顧客からの注文に比べ5倍以上費用がかかる困難な仕事です。新規開拓を成功させるにはもっと多くの手法から自社に合ったものを組み合わせて使うことが大切です。

新規開拓の見直しに必要な4つの視点


新規開拓はなぜ必要か

新規開拓は既存客への営業に比べ苦労が多くストレスのかかるものです。しかも営業コストは5倍以上とも言われています。それでも多くの企業が新規開拓に取り組むには理由があります。それは売上=顧客数×顧客単価だからです。売り上げを最大化するには顧客数か顧客単価を上げなければなりません。顧客単価の最大化は既存顧客の深耕開拓によって行われ、顧客数の最大化を新規開拓で行うのです。理論的には既存客が永久にリピートしてくれるなら新規開拓の必要性はかなり小さくなります。既存顧客へのフォロー充実・顧客満足追求は売上安定の絶対条件です。リピートオーダーと紹介による受注で成長できればいいのですが、現実にはそれだけで売り上げが増えないことが多いのです。だから難しくても新規開拓に取り組む必要があるのです。

自社にあった新規開拓を考える

新規開拓に取り組むには自社のビジネスの特徴を押さえてそれに合った手法を選ぶ必要があります。

リピートオーダー中心

主要取引先との取引を長年続け関係を深めていくビジネスでルートセールスと言われるスタイルです。特定顧客との継続取引を中心に事業があり経つケースが多いのです。取引の頻度は扱う商材によって違いますが日々定期的に発注のある部品や材料から数年~場合によっては10年以上のサイクルで買い替えの起こる設備まであり、自社製品のオーダーサイクルに応じた営業戦略を立てる必要があります。

スポット契約

いわゆる一度きりの売り切りビジネスです。既存顧客からの注文はほとんどなく新規開拓をし続けなければすぐに売り上げがなくなってしまうビジネスです。一般にプロセールスはこの形態のビジネスに多く、営業セミナーで活躍するコンサルタントの多くはスポット契約を取りまくった実績を元にした人が多くいる業界です。

新規開拓セミナーの注意点

新規開拓を学ぶためにセミナーに参加することがあると思います。その際、自社の営業スタイルにあった講師・コンサルタントを選ばなければ逆効果になることがあるので注意が必要です。スポット契約主体の企業がルートセールスの手法を学んでも役に立ちませんし、ルートセールス主体の企業が売切商売の強引な手法を取り入れたら、これまで積み上げた信頼を失ってしまうかもしれません。

営業ルートを考える

新規開拓というと自社で行うと考えてしまいがちです。確かに自社による新規開拓が基本です。しかし、他社の手を借りるという選択肢があることも忘れてはなりません。その際大切なことは自社のターゲットユーザーの数です。特殊な業界でのみ使われる設備でターゲット顧客が全国で数10社しかないケースと工場であればすべてターゲットになりうる電子部品や機械部品かで最適な営業ルートの作り方は異なります。自社営業だけでターゲットユーザーをフォローできるかどうかが、販売代理店や営業代行会社を活用する判断材料になります。

販売代理店

販売代理店は基本的には得意とする業界・カテゴリーが決まっているので、自社に合った販売代理店を選ぶことがポイントです。そしてさらに3つのタイプに細分化できます。それは1.地域特化型、2.メーカー系列型、3.顧客特化型です。自社の営業戦略に合わせどのタイプの販売代理店と付き合っていくのか?自社営業との役割分担をどうするか検討していきます。

営業代行会社

営業代行専門の会社に依頼する方法です。自社に営業がいない会社でもすぐに新規開拓を始めることができます。テレアポからクロージングまで一括で任せることも可能ですし、テレアポだけでも利用も可能です。契約形態も固定料金から成果報酬型まで様々な会社があります。

新規開拓の流れ

新規開拓のプロセスを押さえ、営業プロセスをつくって営業の見える化をしておく必要があります。
新規開拓の基本フローは「リード獲得(アプローチ)」「リード育成」「クロージング」「アフターフォロー(アップセル・紹介獲得)」です。このプロセスをすべて1人で行う必要はありません。

リード獲得(アプローチ)

営業するにはまずリードを獲得する必要があります。それも商談につながる質の高いものが理想。すでに飛び込み営業やテレアポは効果を失い、従来の広告宣伝や展示会に新しくWebマーケティングの予算が加わったため少ない予算が足りないケースが増えています。費用対効果を考え効率的にリードを獲得することがマーケティング部門(中小企業では営業部もしくは経営者)の役割です。

リード育成

残念なことにせっかく集めたリードもすべてが今すぐ商談につながるわけではありません。獲得したリードは3種類あります。1.商談につながる今すぐ客、2.情報収集層、3.冷やかし・競合です。獲得したリードはきちんと仕分けをして商談につながるいますぐ客だけを営業に渡すことが重要です。そして、すぐには商談につながない情報収集層はメールマガジンやWebサイト、セミナー、勉強会によって適切な情報発信を続けることで見込みを育成していきます。リード育成を営業活動で行う方法もありますが、費用対効果やマンパワーに問題があり営業は質の堅いリードをフォローしクロージングに集中するのがお勧めです。

クロージング

商品に興味を持った見込み客に「購入しよう!」と思ってもらうことがクロージングです。そのために障害となるものは何か?見極めて意思決定のお手伝いを行うことがクロージングだと思います。正しい判断の手助けになる適切な情報を商談の中で提示できるのは対面営業の得意とするところです。

アフターフォロー

営業のゴールは契約になりがちです。しかし、アフターセールスによる顧客満足度向上が離脱を減らし、リピーターに定着していただく最も重要な仕事です。そして、アフターフォローによって新たなニーズを発見しアップセルや商品の改善や新商品開発のヒントを得ることも重要な営業の仕事です。また、積極的に新規顧客を紹介を頂くにも万全のアフターフォローは必要です。

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