クライアントからのオファーをペンディングにした訳 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年9月16日水曜日

クライアントからのオファーをペンディングにした訳

おはようございます。
今週はクライアントとのミーティングが多いので来週以降のタスクが増えそうです。こういうときこそ基本を大切にしたいですね。準備、実行、後始末。実行だけにならないよう時間を作りたいと思います。



売上確保のための販路拡大

昨日はクライアントとの打ち合わせでした。打合せのきっかけはWeb上でアプリを使って集客のテコにできないか?という先方からのオファーでした。しかし、調査を進めるうちにこのクライアントの課題はWebマーケティングよりも流通にあることに気がついたのです。市場規模はここ数年横ばいで決して大きくありません。そこで専業の会社が数社しのぎを削っている状態でした。数年前クライアントは販路を広げる戦略に出たのです。通販を始め、そして新規の代理店と契約。その結果・・・強力な販売代理店から売り上げが伸びており、売上比率が高くなっているのです。既存の販売代理店は年々売り上げが減少し、新しいところでカバーする。新しい流通で売り上げ減少を食い止めていたのです。新しい販売代理店の活用はその会社の救世主。そう考えても不思議ではありません。そしてそれに加え新しい販促活動でさらに競争力を強化する・・・そのためのWebアプリのはずでした。しかし、市場全体の成長性や利益率の推移などを見るとどうしても違和感があるのです。もしかしたら、ユーザーは一番安く買えるところから買っているだけじゃないか?そしてこのままでは利益率だけが下がり続けるのではないか?これ以上その販売代理店からの売り上げシュアが高まったらもう後戻りできなくなるのでは?そんな考えが頭をよぎりました。成長市場では販路を増やし、市場との接点を増やすのが定石。しかし、市場の成長が止る成熟期、そして衰退期の市場では販路拡大は一歩間違うと価格競争をあおるだけに終わり、利益低下のリスクが高まります。買う量は増えないのに販売店が増えると価格競争が激化するのは当然なのです。

価格調査で分かったリスク

そこで販売代理店各社の販売価格を調査しデータをまとめ、クライアントにそのデータを見てもらいました。そのうえで感じたリスク、最悪の事態起こるであろう結果について報告しました。そして流通政策の方針を決めていただくようお願いしました。そこが決まらなければWebで出来ることも決まらない・・・最悪の場合宣伝すればするだけ敵に塩を送ることになりかねないことを説明しました。Webアプリを使った販促の提案のはずが・・・まさか大きな決断を迫るきっかけになるとは思いませんでした。でも受注を優先してアプリの提案を行わなくて良かったです。大きなリスクに目をつぶって受注を優先してもいいのかもしれません。しかし、そんな自社都合の商売が長く続くとは思えないのです。クライアントが大胆にリスクを取って勝負に出るか、現状の方針を維持しその中で改善するのか?決断を待ちたいと思います。そして勝負に出るなら新しいプランを提案し、そうでなければ投資は極力減らすよう提案しようと思います。

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