顕在ニーズと潜在ニーズの優先順位 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年1月14日火曜日

顕在ニーズと潜在ニーズの優先順位

おはようございます。
マーケティングでは顧客ニーズが大切です。しかし、一口に顧客ニーズを行っても非常に幅が広く、自社で対応できるニーズには限りがあります。まずは顧客ニーズを把握すること。そして、どのニーズにどこまでこたえるのか?どうこたえるのか?優先順位をつけ競争を有利に進めることがマーケティング戦略の肝になります。

顕在ニーズと潜在ニーズの優先順位

ニーズの種類

マーケティングでは顧客ニーズの把握が大切です。ニーズの種類は大別すると「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があり、どこまでニーズに対応するかで競争相手や市場が変わります。自社に有利なニーズを見つけ戦いやすい土俵を作る。有利なポジショニングを確立するには顧客ニーズの把握、そして選択が欠かせません。

顕在ニーズとは

顕在ニーズとはユーザーが課題を認識してる状態のことを言います。顕在ニーズには課題を認識するものの解決方法が分からないユーザーから、解決する手段を理解するユーザー、さらには具体的な仕様まで認識するユーザー、そして型番まで把握してどこで買うのがベストか検討するユーザーなど様々なレベルのニーズがあります。

ウォンツとニーズの違い
顕在ニーズはニーズとウォンツに分けることができます。ウォンツは具体的に課題解決方法を知ってることをいい、ニーズが課題は認識してるが解決方法が分からない状態のことを言います。(ニーズとウォンツの定義は混乱が見られ、様々な意味合いで使われていますが、このブログではこの定義で行きたいと思います。)

潜在ニーズとは

潜在ニーズとは課題に気が付いてないことを言います。不満、不安、不足、不便、不具合、不備、不快などユーザーの感じる問題を掘り下げ、問題を課題に昇華させると潜在ニーズは顕在ニーズに変わります。ユーザーはまだ気が付いてない課題を情報提供によって気づきを与え顕在化していきます。

ビジネスによって異なるニーズの優先順位

顧客ニーズは大切ですが、ビジネス形態によって優先すべきニーズの定石は違います。顕在ニーズに対応することは最低限必要ですが、定石を理解したうえで自社に合ったニーズを選び、有利にビジネス展開することが大切です。

販売会社が優先すべきニーズ

通販サイトや販売代理店では「ウォンツ」を優先し、それ以外のニーズをあまり深追いしないことが基本です。何を購入すればいいか把握してる今すぐ客を逃さないことが最も重要です。自社製品を検討するユーザー、同種製品を検討中のユーザー、比較検討中のユーザーに集中することが大切です。自社の強みが生きるウォンツは何か?きめ細やかにウォンツに応えることに集中します。課題解決方法を把握していないお客まで深追いすると効率が落ちることがあります。

メーカーが優先すべきニーズ

自社商品を持つメーカーやソリューション提案を行うシステムベンダーは市場を育て、さらに新しい商品やソリューションを開発するためにユーザーの課題にも対応しなければなりません。ウォンツだけでなく、顕在ニーズ全体に目を配り研究開発に生かし市場を育てるのです。課題を抱えて困ってるユーザーに成功事例や用途例、課題発生のメカニズムを通じて解決策を提示するのです。

シンクタンク・大学・研究所が優先すべきニーズ

メーカーが顕在ニーズ全般に対応して市場を育てることに集中するのに対して、シンクタンクや大学・研究所ではユーザーを啓蒙するために潜在ニーズに注目します。まだ気が付いてない課題や問題を扱うことは大切な役割です。まだ一部の人しか気が付いてない問題・課題を長期的な視点で取り組むことは一般企業だけでは難しいことです。

まとめ

どんなビジネスでも優先すべきはウォンツを持ったユーザーです。しかし、それだけでは競合が激しく価格や納期などの条件も厳しく長期的に安定した利益を上げることが難しくなりがちです。そして顕在ニーズ、潜在ニーズとニーズの対象を広げるに従い成功した時の見返りは大きくなる傾向があります。しかし、潜在ニーズは成果を出すまでの時間と労力が大きくリスクも高まります。短期的な成果と同時に長期的な成長するために潜在ニーズと顕在ニーズのバランスを取ること、そして、競合企業との競争を意識して自社の戦いやすいニーズを優先し強みが生かせないニーズは切り捨てていく勇気も大切です。

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