強みを生かすはメーカー目線 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年6月24日水曜日

強みを生かすはメーカー目線

おはようございます。
マーケティングでやりがちな過ち、それは「自社の強みは何か?」と考えることです。自分も時々この失敗をしています。よほど注意しないと強みから考えてしまいがちです。強みは何か?から考えるとほぼ間違いなく袋小路に入るのです。自社の強みはなんだろう?・・・考えれば考えるほど、意識は内に向き、自社のことを考えてしまい、強みが見つからなくないことが多いのです。仮に強みが分かったとしてもユーザーに響かない自慢みたいなものになるのです。

強みを生かすはメーカー目線


ユーザーが選ぶのは価値

やはり、「強み」は自分が考えたものなのです。ユーザーが感じるものは「良さ=価値」なのだと思います。だから、ユーザーからの褒め言葉なら構いませんが・・・あまり強みを意識するのは問題があると思います。ユーザーが選ぶのは強さではなく価値。価値は平たく言うと”良さ”だと思います。マーケティングの仕事でも一緒です。ストレートに「御社の強みってなんですか?」と聞いても納得のいく答えが返ってくることはありません。私は直接的に強みを聞かないようにしてます。強みは意識したら出るものではありません。そしてユーザーは強みでなく価値=良さを選ぶのだと思います。

強みにもあるデメリット

一般的に強みにはメリットしかないように思うかもしれません。しかし、強力な強みは時としてデメリットにもなり得るのです。それは強みが変化を拒むことがあるからです。圧倒的な強みでシェアを獲得した企業が環境変化を受け入れられず、イノベーションの波に飲み込まれる。際立った強みを発揮して成長した企業でも環境の変化に対応できずそのまま消えてしまうことがあります。強みを最大限に活かした成功体験がかえって変化の邪魔になることがあるのです。強みへのこだわりはやはりメーカー目線なんだと思います。

選ばれるのはオンリーワンだけじゃない

ユーザーが感じる良さってなんでしょうか?最先端の製造設備?革新的な特許?独自技術に裏打ちされたQCD?それとも決して真似できない完璧なサービス!?そういったものがあれば理想かもしれません。しかし、選ばれるのはオンリーワンだけじゃありません。ユーザーが感じる良さは普段の業務に自然と出てくるのです。だから、自分で見つけることが難しいのです。生産財業界で10年以上の歴史のある会社には必ず良さがあります。普通に仕事をするだけも価値があるのです。しかし、その価値に自分で気が付くことが難しいだけです。強みを伝えようとするよりも、「普通のこと、当たり前だと思ってること」を飾らずに伝えるようにしたらいいのです。BtoBはプロユーザーの厳しい目で購買検討がされる世界です。選ばれるには必ず理由があります。

宣伝はありのままを伝える鏡

広告や営業は自分たちを知ってもらうツールに過ぎません。まずは自分たちの強み(と思っていること)を知ってもらう。そして反応を注意深く観察することでユーザーから見た自分たちの良さや課題に気づくことも広告や営業の大切な役割です。強みはあくまでも自分目線。宣伝や営業することでユーザー目線とのズレが分かるのだと思います。開発し、製造した製品を宣伝し営業することで初めてユーザーと対話ができ自社の良さを教えてもらえるのではないでしょうか。

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