安易なシェアが危険な生産財業界 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2012年11月22日木曜日

安易なシェアが危険な生産財業界

ソーシャルメディアを使った口コミや情報共有によるマーケティング手法が注目されてます。一部やりすぎの例もあるように思いますが、確かに一般消費財では効果が期待できるかもしれません。しかし最先端の技術で勝負する生産財業界にシェアによる拡散や口コミマーケティングは不向きだと思います。

安易なシェアが危険な生産財業界

広がりにくい口コミ効果

完全に口コミや共有を否定するわけではありません。お客様に評価され成果を上げた技術や製品ほど口コミや情報共有が起きにくいことを理解すべきです。たとえば社内での情報共有やグループ企業間での情報の共有は生産財でも行われます。しかし、キーデバイスや差別化の決め手となる生産設備などは社内やグループ企業間での情報共有ですら慎重に検討され、場合によっては社内であっても極秘にされます。新聞発表の内容や広告原稿など外部に発表する情報は慎重に公開範囲を検討し、場合によっては発表も中止します。重要な取引だと、取引内容のみならず取引先名すら公開できません。また特許戦略でも場合によっては情報をブラックボックス化するために特許を取得しないという選択も行われてます。

信頼失墜の原因

こういう業界で安易なシェアは信頼失墜や大きなトラブルの原因にもなりかねません。ソーシャルメディアに取り組む製造業が増えてますが、そのことを理解したうえで適切な情報公開が最低限必要です。ソーシャルメディアは情報公開の範囲を適切に判断できる経験豊富な人に任せるか、もしくは技術的な内容には深入りしないコンセプトを検討するなど工夫が必要です。これから生産財業界に取り組む広告会社の人に読んで頂きたのです。

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