Web業務の内製化をコストダウンで考えない | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年3月27日金曜日

Web業務の内製化をコストダウンで考えない

おはようございます。
Web業務の内製化には2つのタイプがあります。1つはコストダウンを目的としたもの。もう一つはノウハウを溜め、Webで差別化することを目的にしたものです。コストダウンを目的にした内製化には注意点があります。それはコストダウンしたことで品質が下がり、効果が出なくなること。そして外注費削減のための内製化が固定費を上昇させることです。

Web業務の内製化をコストダウンで考えない


外部の専門家を招く

製造業ではあまり見られませんが、戦略的に内製化に取り組む企業はWeb業界から人材を迎え入れてノウハウを取り込んでいます。一言でWeb業務と言っても網羅すべき知識は広範囲にわたります。そして技術進歩のスピードの速い業界です。プロであってもすべての知識を網羅することは難しいのです。だから、余った社員を有効に活用する!?という発想の内製化で成果を出そうというのは虫が良すぎる考えです。外部からプロを招いて内製化を進めていてもWeb業務を100%内製化せず、優秀な外注先も使うものです。必要に応じて外注と内製化を使い分けるのです。外注と上手につきあっていくためにも外部の専門家を取り込む必要があります。また経験のない社内スタッフが戦力になるまでには時間もかかるものです。だから外部から専門家を招くだけでなく、Webマーケティングに関わる人材の育成も長期的な視点で取り組む必要があります。

市場を熟知したクリエイティブ

内製化のメリットは何と言っても市場を熟知した社員が作ったクリエイティブです。自社、ユーザー、競合を理解し求められる価値や解決したい課題にそったコンテンツでユーザー満足度を向上させることができます。営業と協力して取材するユーザー事例、エンジニアの開発秘話、工場見学による製造工程の紹介。魅力的な経営方針紹介・・・社内にいるからこそ機動的に取材も行えタイムリーに魅力的なコンテンツを作り続けることができるのです。コンテンツは王様なのです。優秀なデザイナーを社内に抱えてこそ生きる内製化。デザインの素人ではつとまりません。

仕事を断られるリスクをなくす

Web業界は慢性的な人材不足です。優秀なデザイナーやエンジニアは不足しています。そしてアクセス解析やSEO、リスティングなどの専門家もけっして多くありません。そんななか緊急を要する案件やプロジェクトに欠かせない案件が手一杯で外注先に引き受けてもらえないリスクもあります。内製化を進めておけばこういったリスクを回避しやすくなります。Webサイトの充実が経営に与えるインパクトが大きければそのリスクは高くなります。反対に経営への影響が小さい場合は内製化による固定費増が大きな負担となることも忘れてはなりません。内製化の基本は企業の収益力の根幹に関わる業務で行うことです。自社にとってWebがビジネスの根幹に位置するかどうか、Web更新が遅れることのダメージがどれほどのインパクトなのか?という視点が内製化を判断するポイントです。

まとめ

製造業では原価意識が非常に高く、徹底した変動費のコストダウンに意識が集まりがちです。直接製造に関係しない外注費は特に目につきやすく、外注費削減を目的に内製化に取り組むケースも見受けられます。しかし、本当にコストダウンが目的なら固定費を含めたトータルコストで判断する必要があります。外注費カットだけが目的の内製化は「高かろう、悪かろう」になるリスクもあります。

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